何故施術家になったのか?よく驚かれるのですが、私の前職は歌手でした。この話をすると、今何故この仕事をしているのか疑問を持たれる事があります。
今でこそ多少の事では動じない40代のおじさんになってしまいましたが、昔は私も小さな事で辛くなり、考えても変わらない事をひたすら考え1日を無駄にしたり、何故生きるってこんなにも大変なんだろうと意気消沈し今では考えられないくらい不安定な日々を送っていました。
歌手を目指し、アルバイトに明け暮れ、デビューする迄の猛特訓、そんな時に友人の紹介でSONYの方がたまたまヴォーカルを探してると言う事で、オーディションへ。後日電話が来て念願のデビュー。今でもあの時の喜びは忘れられません。何故なら本当の苦労はここから、デビューしてからが大変だったからです。
念願のデビューの喜びも束の間、次第にプレッシャーや理想とのギャップに苦しみ、心と体のバランスを崩すようになってしまい3年が経過した頃には目標を見失い、歌を辞めたいとマネージャーに報告していました。辞める決断をして1か月間、途方に暮れる日々の中で本当にこれでいいのかわからなくなった時、私を救ってくれたのが、その頃ファンでいてくれた方の存在でした。その方々が私を支え、逃げている事に気づかせてくれたのです。
前置きが長くなりましたが、私が今こうして整骨院で働いている理由は、正にそうした人との関係性を築ける職場だからです。痛みを取りに整骨院に来て下さる人、歌を聴きに会いに来てくれた人、どちらからも共通して「元気がでました」「今日は来れてよかった」と、感謝の心を頂けます。
職を変え、治療家になったばかりの頃、何処から見ても初心者の私は当然未熟者で、時には患者様から怒鳴られることもあり、その時改めてプロの世界の厳しさを学びました。
それから13年。整骨院で働きながら、沢山の人々に寄り添い、試練を乗り越え、身体の痛みを和らげる技術を習得しました。音楽で癒されることと同じように私は現在、整骨院での仕事に誰よりもやりがいを見出し、音楽とは違った形で、多くの人々に癒しと元気を与えることができる喜びを感じています。そこから私の人生は再び輝きを取り戻しました。
今でも時折、仕事の空き時間に歌を口ずさんでしまう私ですが、心優しいスタッフに見て見ぬふりをしてもらい、活き活きと自分らしく患者様の心と身体に真摯に向き合う事が出来ています。
これからも夢を追いかけた若い頃の自分に誇りを持ち、新たな道で得たこの充実感を胸に前向きに歩み続けていきます。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。是非お悩みがありましたら私のところに来てください。今はこの道のプロです。必ず笑顔になってお帰りいただきますので、どうぞ安心してお越しくださいませ。