季節の変わり目や寒波の襲来など、気温が急激に10度以上下がる場面は日本でも珍しくありません。特に秋から冬、または春先にかけて、このような寒暖差が起きやすくなります。しかし、私たちの身体はこの「急な変化」に非常に弱いもの。気温が急に10度以上も下がると、体調不良だけでなく、思わぬ「ケガ」や「事故」につながることがあります。
本記事では、気温の急激な低下によって発生しやすいケガとそのメカニズム、予防策について詳しく解説します。
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気温が急に下がると、なぜケガが増えるのか?
気温が10度以上下がると、身体にさまざまな変化が起きます。具体的には以下のような影響があります:
• 筋肉や関節の柔軟性が低下
寒さにより筋肉が縮こまり、関節の可動域が狭くなります。その結果、動き出しで筋肉や腱、靭帯に過度な負荷がかかり、ケガをしやすくなります。
• バランス感覚の低下
寒さで手足の感覚が鈍くなり、ふとした段差や滑りやすい路面に対応できず転倒するケースが増えます。
• 血圧の急上昇
冷たい外気に触れると血管が収縮し、血圧が急に上昇します。これにより、心筋梗塞や脳卒中といった「内科的なケガ」も起こりやすくなります。
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気温が急激に下がると起こりやすい主なケガ5選
1. 転倒による骨折
急に寒くなると路面が凍結したり、雨や霜で滑りやすくなったりします。特に高齢者に多いのが、転倒による大腿骨や手首の骨折です。骨粗しょう症の方はわずかな衝撃でも骨折する可能性があるため要注意です。
対策:
• 滑りにくい靴を選ぶ
• 地面をしっかり確認しながら歩く
• 手袋をしてもポケットに手を入れず、バランスを取る
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2. ギックリ腰(急性腰痛)
冷えによって筋肉がこわばっている状態で急に重いものを持ち上げたり、腰をひねったりするとギックリ腰を引き起こします。特に朝、布団から出た直後などは要注意です。
対策:
• 起床後は軽くストレッチをしてから動き出す
• 重い物は膝を使って持ち上げる
• 腰回りを冷やさない服装を心がける
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3. 捻挫・肉離れ
寒い時期に運動や外出をすると、筋肉が温まっていない状態で動いてしまい、足首の捻挫やふくらはぎの肉離れが多発します。特にスポーツ愛好者や子どもに多いケガです。
対策:
• 運動前はいつもより長めにウォームアップ
• サポーターを活用する
• 急なダッシュやストップは避ける
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気温差に負けない体づくりも重要
急な気温の変化にも耐えられる体づくりには、以下のような生活習慣が効果的です:
• 毎日の軽い運動で筋力と柔軟性を維持
• 入浴や温活で血流改善
• バランスの取れた食事で体の芯から温める
• 十分な睡眠で免疫力アップ
また、天気予報を確認して、「明日は冷え込む」とわかっていれば、前日に服装や暖房、スケジュールを調整することも大切です。
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まとめ
気温が10度以上下がると、身体は予想以上のストレスを受け、さまざまなケガや事故につながりやすくなります。特に以下の5つのケガに注意が必要です:
1. 転倒による骨折
2. ギックリ腰
3. 捻挫・肉離れ
「寒いから」と家にこもるだけではなく、正しい知識と対策をもって行動することで、冬でも安全に、健康的に過ごすことができます。
急な気温の変化に備えて、今からしっかり準備していきましょう!










